02/12/2013

宮古島の思い出




ボクの宮古島滞在最終日となった2月7日。

1軍のキャンプ地である宮古島市民球場に
「ふれあいの里」の利用者の皆さんを
お招きしました。


「ふれあいの里」は市民球場のほど近くに
ある、障がい者を対象とした支援施設です。



冒頭の画像はご来訪時の記念写真。






西投手と佐藤達也投手も一緒に入って
くれました。



元々の成り立ちが知的障がい者厚生施設
だった「ふれあいの里」は、現在も主に
知的、精神障がいを持つ成人の皆さんが
利用されています。


1月に、キャンプの見学に行きたいという
ご連絡が届いたとき、正直、ボクは戸惑い
ました。


もちろん、スタンドからの見学であれば
何も悩むことはないのですが、その依頼文
には、こうありました。


「本来であれば、通常のお客様と同様に
スタンドから応援、見学させていただく
ことが筋とは思いますが、遠くからだけ
では感じ取ることが苦手な障がいを持った
方々に、見学時に、間近で能力を見せて
いただく機会をいただければと思い・・・
(以下、略)」


何より気がかりなのは安全面です。

練習の現場に近づけば近づくほど、当然、
ボールが飛んでくる危険度は高くなります。


そして、もうひとつ。これはボクが心配する
ことではないのかもしれませんが、野球は
野球でしかありません。知的障がいや精神
障がいをお持ちの皆さんにその練習をご覧
いただいたところで、本当に役に立つのだ
ろうか、満足していただけるのだろうかと
真剣に悩みました。


そんなボクの背中を押したのは、ボクとの
メールのやりとりの中で記されていた、
「ふれあいの里」のご担当者のこの一文。


「間近でスピードやパワーを感じることが
できれば、彼らの感性の刺激となるものと
考えております。また、一部の利用者では
今後の野球に対する興味が高まることで
余暇活動を豊かに、強いては人生を豊かに
することができたらと思います」


自信はありませんが、そこまでおっしゃる
ならお越しいただこうではありませんか!


日程も、ボクの宮古島滞在予定に合わせて
設定していただきました。



それでは、当日の様子をご覧いただき
ましょう。









ブルペンでの見学風景です。

ピッチャーが投げるボールが小気味よい
音を立ててミットに吸い込まれる中、
うしろから4、5人ずつのグループに
分かれてご覧いただきました。






こちらは室内のバッティング練習場。








「ふれあいの里」の皆さんが熱い視線を
送る先では宮崎選手と安達選手が汗を
流しています。



最初、集合したときには落ち着かない
様子だった皆さんでしたが、ブルペンや
室内練習場で、プロが投げるボール、
プロが弾き返すボールを前にすると、
固唾を呑んでその様子を見つめていました。


健常者のように歓声を上げたり、大きな
リアクションをするわけではありません。

しかし、気として発せられる皆さんの
嬉しさやワクワク感は、十分に伝わって
きました。

それ自体、ボクにとって初めての経験で
あり、胸を大きく揺さぶられる光景だったの
ですが、一方で、プロ野球選手のスピードと
パワーが、かくも純粋に心に響くものかと、
あらためて感動しました。






野球のことを少し理解している数名の
方が、サイン色紙をご持参でした。

この見学の意味を感じ取った安達選手と
宮崎選手は、移動の足を止めて色紙に
ペンを走らせました。


そして、猛ダッシュで次の練習へと
向かいました。



翌日、京セラDの球団事務所に出勤した
ボクのもとに一通のメールが届いて
いました。

「ふれあいの里」のご担当者からでした。


「『ふれあいの里』に帰園後もサインを
頂いたことや、迫力あるピッチング、
バッティングを間近で見る事ができた
ことなど、興奮が収まらす皆楽しそうに
お話しています」

「私たち職員も想像した以上に利用者の
方々が真剣な眼差しで練習風景を見て
いた事に驚きました。きっと皆選手たちの
熱いエネルギーを感じることが出来たと
思います」



実は、ボクはこの日のことをブログの
記事にするつもりはありませんでした。


「エエ話」はカットするのが一応の
お約束ですからね。


でも、そのメールを読んで、「ふれあいの
里」の皆さんが喜んでいる姿を想像すると、
書かずにはおれない気持ちになりました。


正直に言うと、写真もほとんど撮って
いませんでした。


今回使用した写真は、大部分が今日に
なって「ふれあいの里」のご担当者に
お願いして送ってもらったものです。


写真が添付されたメールにもこんな
一文がありました。

「職員の予想以上に、利用者さんの
心には何かが伝わったようで、やはり
本物の力はすごいなあと感心いたし
ました。何人かの利用者さんは、2、3日
は興奮して、身振り手振りで職員に
感動を伝えようとしていました」


メールはさらに続きます。


「ところで、はなきさんは今年は、もう
こちらにいらっしゃらないですかね?
また、来年以降でも、いらっしゃる際
には、よろしければお声がけください。
一緒にオリオンビールか泡盛でも
飲みましょう」


こうして宮古島にボクの飲み友達が
また一人増えました♪